春のワイン試飲会inアメリカ

私は日本でワイン輸入会社を経営しておりますが、アメリカでも仕事を持っています。日本ではアメリカワインを売っておりますが、アメリカではワインや日本酒をアメリカ人に対して販売しています。なんだかややこしですね(笑)

その関係で、アメリカ国内の業者用試飲会やワインイベントの招待を受けることがあり、自分の日本の仕事にも役に立つことから行くようにしています。

今回はそんなアメリカワインの業者事情を、こっそりレポートします。

今回出かけたイベントは、アメリカ大手アルコール飲料卸売業者『Heidelberg』社のNEW ITEM SHOW(ニューアイテムショー)=新ワインお披露目イベントです。今年で2回目。

ニューアイテムショーに足を運ぶ理由はいくつかあります。

  • 地元の人気商品の傾向を知る
  • 今後流行りそうな商品やスタイルを考察
  • ミレニアム世代(つまり若い人々)を取り込むための工夫

アメリカでアメリカ人にワインを売る場合、上記の1と3は欠かせません。オハイオ州はワインと日本酒を売るのは比較的難しい地域といわれています。地域柄どうしてもビールやハードリカー(ウイスキーやウォッカ)が人気にならざるを得ません。そのなかでどうワインや日本酒を販売していくか?はいつも課題として考えています。

また、ミレニアム世代を取り込むこともワイン販売においては非常に大切なこと。アメリカにおいては、年齢層が高いほど良い価格帯のワインを購入します。しかし若い世代ではビールやカクテルが主流であるため、ワインの消費量は低いと言わざるを得ません。そこで各社が工夫をし、彼らに受け入れられやすいものを模索しています。

ニューアイテムショーというのはこの会社が扱う新ワインのお披露目なので、あくまでこの会社を通してのアメリカワイン事情しかわかりません。ですがいつもさまざまな角度から最新の情報に触れていたいので、この試飲会は私の中で毎年行きたいイベントになっています。

場所はなんと野球場。

去年もそうでしたが、屋根のある一角でまるでパーティーのごとく華やかにテイスティングが繰り広げられます。食べ物も用意してあり(ホットドッグやスティック野菜になりますが)ホスピタリティも感じられます。

このイベントは1階と2階に分けられ、1階では主にビールやハードリカー、缶に入ったアルコール飲料。2階はワイン。私は2階に直行です。

去年はシャンパーニュもありましたが、今年は高級ワインはほとんどなく、オーストラリアや南アフリカといったニューワールドワインが目につきました。

その中で、ひとつ気になっていたアイテムを見つけ試飲することに。

その名は『HARD CHARD』。CHARD(チャード)とは英語でシャルドネ。HARD(ハード)という部分が気になりました。ハード・シャルドネとは何でしょう?一口いただいて何がハードかわかりました。とっても樽の効いたシャルドネ。ブドウの味を感じるのが難しいほどのふくよかさとトースト香&バター香。そして驚くことにアルコール度数15%!

こんなにユニークなシャルドネは初めてです。これは19crimes(ナインティーン・クライムズ)というオーストラリアのワインなのですが、アメリカでも大人気です。調べたところ、日本でも販売されているのですね。ワインのラベルにオーストリアへ流されたイギリスの犯罪者の写真が使われています。しかし彼らは新天地オーストラリアで幸せをつかみ、素晴らしいドラマを生みました。それを称え、その19人がワインのラベルにされ販売されています。流刑地で活躍するとは、なんだか昔のアメリカとよく似ています。

また、よく目についたのは缶のワイン。カリフォルニア産のロゼやスパークリングワインが沢山ありました。これらは近年ミレニアム世代に受け入れられています。価格が安いこと、ソムリエナイフがなくても気軽に開けられることが理由です。

RUSSIAN RIVER VALLEY(ロシアン・リヴァー・ヴァレー)のPINOT GRIS(ピノ・グリ)を見つけたことも大きな発見でした。最近ピノ・グリ=オレゴン州でしたので、カリフォルニアのピノ・グリはなんだかとても新鮮。

そのピノ・グリとホットドックを持って、去年と同じスタンド席へ。野球場と賑わいを見せるブース達を眺めながらしばしゆっくり。

心地よい風に吹かれながら緑のスタンドを眺めていると、なんだかとてもリラックスした気持ちになれます。

今回は残念ながら、気になっていたオレゴン州やワシントン州のワインを見つけることは出来ませんでした。しかし招待客に若者層が多かったことや、ニューワールドワインがワインの大部分の占めていたこと、缶ワインやカクテル飲料が充実していたことから、若い世代の取り込みを意識していると感じました。

こうしてアメリカのワイン業界に身を置けることが、私のワイズワインの仕事にとても役立っています。そこで感じたことや学んだことを皆様とシェア出来ることも、また私の原動力になります。今月末はいよいよオレゴン州やワシントン州にワインを見つける旅へ!皆様に沢山お土産話が出来ますように。

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